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    電子制御の不安。

  • 2010.02.25
  • トヨタが相変わらず痛めつけられていますね。
    もちろん、攻める側、守る側双方にそれぞれの理由があるわけで、攻める側からすれば「痛めつけられた」ことによる攻めであるとも考えられるわけですから、一方的に痛めつけられているとも言い切れません。
    ただ、同じ日本人として、また、米国議会がビッグ・スリーと呼ばれる米国自動車会社のトップに対して行った公聴会の様子を見るにつけ、どうにも理不尽に痛めつけられているという感覚を拭いきれません。

    そもそもこの問題、いろいろとわかりにくいところがあるので幾つか上げておきます。

    まず、昨年8月に起きたレクサスES350での4人死亡事故。これをきっかけにして一気にリコールが噴出したとも言われている事故ですが、この件についておさらい。


    昨年8月28日、カリフォルニア州高速警察の隊員であるマーク・セイラーさん(当時45)は米カリフォルニア州サンディエゴ郊外をレクサスES350で走行中、アクセルペダルが戻らなくなって前の車に交差点で衝突し、道を外れて河原に激突、運転手を含む4人全員が即死したもの。
    以下はそのときの通報内容を日本語訳したもの。

    司令室:こちら911、どうしました?
    男性:はい、今レクサスからです。
    司令室:聞き取りにくいのですが。
    男性:いま、125号を北方面に向かっています。アクセルが戻らないんです。
    司令室:なんですか?
    男性:アクセルが戻らないんです。125号線です。
    司令室:125号北方面、どこを通過中かわかりますか?
    男性:ここはどこかわかるか? 120マイル(時速190km)も出てる! 場所はミッション・ゴージだ! もうだめだ…ブレーキも効かない。
    司令室:了解。
    男性:フリーウェイの終わりまであと半マイルだ。
    司令室:車をターンするとか、なにかできることはありませんか?
    男性:交差点に近づいてる。みんなしっかり掴まれ! 掴まれ! 祈れ! ああ…。

    この事故の調査結果から、フロアマットがアクセルペダルにひっかかったものと推定、「トヨタ自動車は25日、フロアマットがずれてアクセルペダルを戻せなくなる恐れがあるとして、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)にリコール(回収・無償修理)を届け出ることを正式決定した。対象は少なくとも計426万台にのぼる見込み。米国にトヨタが進出した57年以来、同社として米国内では最大規模のリコールとなる(asahi.com)」

    さて、問題はフロアマットだけかと言えば、そうでもない。
    死亡した男性は、その通報のなかで、「ブレーキも効かない」ことを訴えています。
    通常の考え方から言えば、例えアクセルペダルが戻らなかったとしても、
    ・ブレーキを踏む
    ・サイドブレーキを引く
    ・ギアをニュートラルに入れる
    ・エンジンを切る
    ・車を側壁にこすりつける
    など、幾つかの防御策は考えられます。運転者はハイウェイ・パトロールの隊員であり、これらの知識がなかったとは考えられません。

    では、なぜ事故は起きたのか。
    僕は専門家ではないので、事故原因を特定しようとか、そういうつもりではありません。ただ、個人的な興味から、なぜ? と思わずにいられなかったので、いろいろとまとめて考えていきたいと思っています。

    で、その前に、アクセルペダルがフロアマットにひっかかる問題のリコールのきっかけとなったこの事件、実は関連性はないと考えられています。問題を複雑にして申し訳ありませんが、事実として伝わっていることを正確に記述してみます。

    10月18日 asahi.com配信の記事。
    ニュースも元記事にはすでにアクセスできなくなっているので、魚拓から引用。
    >>>米国で4人死亡の暴走事故を起こしたトヨタの高級車レクサス「ES350」は、犠牲者がトヨタ系販売店から、自分の車を整備のため預けている間、借りていた「代車」だったことが分かった。ES350の所有者は、フロアマットがずれると暴走する恐れがあることを07年のリコールを通じて知らされているが、今回の犠牲者は自らの車はリコール対象でないため危険性を認識しないまま乗っていた可能性が高い。
    (中略)
    これまでの調べで、代車の運転席には、トヨタ純正だがES350用より前後がやや長い、別のレクサス車用の全天候型フロアマットが装着されていた。
    (中略)
    代車に全天候型フロアマットを取り付けたのがセイラーさんなのか販売店なのか、地元警察当局は明らかにしていない。しかし、セイラーさんがES350の所有者で07年のリコール通知を受けていたなら、こうした長い全天候型フロアマットが付いた車に乗らなかった可能性がある<<<。

    さらに10月14日 asahi.com配信の別の記事。
    >>>トヨタ自動車の米国でのリコール問題に関連し、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)が08年、同社の高級車ブランド「レクサス」を対象とする調査報告書をまとめていたことが分かった。回答したユーザーの1割が意図せずに加速する「暴走」を経験。
    (中略)
    NHTSAによると、調査はユーザーの苦情を受け、07年モデルの「レクサスES350」を対象に実施。1986人のユーザーにアンケートし、600人が回答した。報告書によると、回答者のうち59人が「意図しない加速を経験した」と答え、その中の35人は全天候型フロアマットを敷いていた。
    (中略)
    トヨタは調査を受け、報告書がまとまる前の07年、「レクサスES350」と「カムリ」の一部で、オプション販売の全天候型フロアマットを交換するリコールを実施した<<<。


    さて、改めて。
    上に記述したとおり、トヨタはフロアマットの不具合を認識し、リコールを実施したのにも関わらず、事故を起こした車には(純正ではない)危険なフロアマットが敷かれていたことになります。
    フロアマットを敷いたのが誰かは明らかにされていませんが、きちんとした対応がされていれば事故は起こらなかった可能性は否定できません。
    一方で、どういう原因であれ(それが人為的ミスであれ)、アクセルペダルが戻らなくなった場合、なんらかの対処が可能であれば事故は防げた可能性もあります。それが上に掲げた5つの方策です。もう一度書きます。

    A.ブレーキを踏む
    B.サイドブレーキを引く
    C.ギアをニュートラルに入れる
    D.エンジンを切る
    E.車を側壁にこすりつける

    これらを順に考察していきます。

    【A.ブレーキを踏む】
    事故者は通報でブレーキが効かないことを告げています。
    ここでWikipediaより「ディスクブレーキ」の項を参照。
    ごく簡単にまとめると、「ディスクブレーキは制動力が弱いため、“倍力装置”をつけペダル自体の踏み込みの力を軽減しているため、この倍力装置がうまく機能しなくなった場合、踏み込みに非常に大きな力を必要とするという。
    この倍力装置には負圧、油圧、空気圧を利用したものがあてられることが多いが、小型車では一般的にガソリンエンジンの吸気管負圧が利用されている」

    つまり、アクセルが全開になっている場合には負圧がかからないので、ブレーキ倍力装置(ブレーキ・ブースター)が働かず、ブレーキはほとんど効かないということになります。ちなみに、僕は詳しくはよくわからないのですが、ブレーキの最初の一踏み目には負圧が残っているので、最初の1回だけはブレーキが効くといいます。つまり、何度も何度も踏んではダメで、一踏みで停めるつもりで踏む必要があるとのこと。緊急時にこれは無理です。
    ちなみに、エンジンを切った場合、同様に倍力装置は働きませんので、自力で車を停車させることはほとんど不可能になります(ただし、推進力を止めることはできます)。


    【B.サイドブレーキを引く】
    これもAに関連していますが、現在の車の重量とパワーを人力で、しかもサイドブレーキだけで停車させることはほぼ困難です。サイドブレーキはあくまでもパーキングブレーキであり、制動装置ではないからです。もちろん若干推進力を弱めることはできるかもしれませんが。


    【C.ギアをニュートラルに入れる】
    これはごく一般的に考えられる対処方法だと思われます。AT車で走行中にニュートラルにすることは、トランスミッションを壊す恐れがあるとか、エンジンが焼き付く恐れがあるとか、いや、まったく問題ない、など、ネット上でも意見が分かれているようですが、少なくとも190km/時で走行している車において、とにかく推進装置を止める必要があるわけで、ニュートラルに入れることでエンジンが焼き付こうが、トランスミッションが壊れようがそこに構っている必要はありません。
    ただし、アクセルペダルが戻っていない状態では、空ぶかし状態となってエンジンの回転数は急上昇するでしょうし、ブレーキが効かない状態も続くわけです。緊急対応とはなりません。


    【D.エンジンを切る】
    エンジンを切ると倍力装置が働かなくなりブレーキがさらに効かなくなることは書きました。加えてパワーステアリングやその他、電子制御装置も効かなくなるわけで、高速走行中の危険性は高まるものと考えられます。
    また、エンジンを切るのも一苦労です。近年、イグニッションキーを回すシステムではなく、スタートボタンを押すシステムが多くの高級車などに導入されていますが、このシステムにおいてエンジンを止めるには、このボタンを3秒以上押し続ける必要があるとのこと。緊急時にこれも無理な話です。
    ちなみに、時速190kmで1秒に進む距離はおよそ50m。3秒以上ということは150m以上ということ。普通にブレーキが効いた場合の制動距離を計算してみると、「乾いたアスファルト/乾いたコンクリート/かつ、タイヤは良好」という最高の条件で、時速190kmでは空走距離39.58m、制動距離177.65m、両方を足した停止距離は217.23mということになり、仮にボタンを3秒以上押してエンジンが切れたとして、仮にブレーキが完全に効いたとして、その停止するまでの距離は400mにも及びます。


    【E.車を側壁にこすりつける】
    時速190kmで、壁に平行にあてることができれば、ですが。



    さて、ずいぶんと長くなりましたが、以上のように、このような事態が発生した場合、回避は困難だということがわかります。僕はこの事故の原因を、「電子制御に頼り、快適性を求めすぎた結果」だと考えています。
    以前から日本でもAT車の暴走事故は報告がなされていました。つまり、「アクセルとブレーキの踏み間違い」です。また、パワーステアリングが効かなくなった、窓が開けられない、といったことによる事故例も報告されています。いずれの場合もMT車で、パワーステアリングもパワーウィンドウも付属していなければ起こらなかった事故だといえます。

    今回のアメリカでの事故は「アクセルペダル」が戻らないということが原因で、結果としてブレーキが効かなくなったわけですから、MT車であれば防げたというものではありません。ただ、一息にアクセルペダルを押し込んでいくAT車と違って、MT車ではシフトアップの度にアクセルペダルから足を離す必要があります。従ってアクセルペダルが戻らないという状況に早く気付いた可能性はあったかもしれません。
    いずれにしても電子制御に頼りすぎ、楽なシステムを選択し続けた結果が引き起こした事故だと僕は考えますし、同様の事故がこれまで起きていたであろうことも想像できます。
    ただ、これはトヨタにとっての問題点ではなく、人間と車との関わり方の問題点ではないかと思います。車は確かに便利で、快適性も重要なもののひとつです。けれども、その前に、あくまでも危険なものであるという認識のもと、手動でも操作可能な状態の維持と、緊急停止スイッチ等の設置は必ず行うべきだと思います。
    ちなみにフォルクス・ワーゲンなどは、アクセルペダルが踏まれた状態(戻らない状態)でブレーキペダルを踏むと、フューエル・カットが働き駆動力が抑えられる設計になっているそう。ドライバーがどういう状況であれ、アクセルとブレーキが同時に踏まれた場合は安全を最優先するという姿勢です。これは上に上げた、「アクセルが踏まれていると倍力装置が働かずブレーキが効かない」というものと真逆の発想であり、ごく極めて当たり前の発想だと思います。この機能をつけるだけで暴走事故を減らせる可能性がある以上、積極的に導入すべきです。


    最後に、米国の公聴会で証言をした女性が乗っていた「危険な車」についてのその後のお話。

    【ワシントン】米下院エネルギー・商業委員会が23日開いたトヨタ自動車の大量リコール(回収・無償修理)問題をめぐる公聴会で、急加速を経験したとして証言したロンダ・スミスさんのトヨタの「レクサスES350セダン」が、現在も使用されており、何のトラブルも起こしていないことが分かった。米高速道路交通安全局(NHTSA)の広報担当者が24日明らかにした。
    同スポークスマンによれば、NHTSAが先週、同車の新しいオーナーに聞いたところ、「走行距離3000マイル弱のところで購入し、何のトラブルも経験せずに走行距離は2万7000マイルになった」と答えたという。スミスさんは証言で、2006年にテネシー州のハイウェーで制御不能の急加速に見舞われ、時速100マイル(約160キロ)になった恐怖の経験を涙ながらに語った。その後、スミスさん夫妻は同車を売却した。
    報告を受けたNHTSAの検査官は、フロアーマットがアクセルペダルに引っかかったことが原因と判断した。しかしスミスさん夫妻は、フロアーマットのせいではないと主張。スミス夫人は、車が速度を上げる前にクルーズ・コントロール・ライトが点滅したことから、電子制御系の問題と考えている。


    これもクルーズ・コントロールという便利装置による悪影響なのかもしれません。

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    Author:常盤荘太郎
    いろいろと調べることが好きで、そのことでわかったことを基本に日常の疑問、感じたことなど、日々の話題にいろいろとツッコミを入れていきます。
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