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    さて、小沢君が動き出した。

  • 2010.08.26
  • 本日、8月26日、小沢君が民主党の代表選に対して立候補を表明しました。
    小沢氏、代表選出馬の意向を表明 『鳩山氏から支援の言葉聞き決意した』
    8月26日8時35分 産経新聞
     民主党の小沢一郎前幹事長は26日午前、鳩山由紀夫前首相と都内の鳩山氏の事務所で会談し、9月の党代表選に出馬する意向を伝えた。
     会談後、小沢氏は記者団に、「鳩山由紀夫前首相から、出馬を決断するなら全面的に支援していきたいとの言葉を聞いたので、鳩山氏の前で出馬する決意をした」と述べた。


    これによると、「鳩山前首相から支援するという言葉を聞いた」とありますが、鳩山君の言い分は少し違っているようです。

    小沢氏『不肖の身だが決意』、鳩山氏『応援するのが大義』
    8月26日9時55分 日本経済新聞
    【鳩山氏の発言】昨日の菅直人首相との会談の模様を聞かれたので、私の方から概要を話した。その結果、それならば民主党と自由党が合併した時からの同志としての協力が得られるなら出馬をしたいという意向を述べられた。

    つまり、小沢君が鳩山君に対して、「君が応援してくれるなら」と語ったということになっています。つまり鳩山君は小沢君に“説得されて支持を約束した”と取れそうです。ただ、鳩山君はこれまでは菅代表を支持する意向を表明していたはず。

    外堀埋められた?…鳩山氏、小沢氏に『菅支持』
    2010年8月25日08時40分 読売新聞
     鳩山前首相が24日夜の小沢一郎前幹事長との会談で、9月の民主党代表選では菅首相を基本的に支持する考えを伝えたことで、小沢氏の代表選出馬は厳しい情勢になってきた。

    ところがここに来て、“お願いされた格好とはいえ”一転の小沢君支持。それにはこんな裏があった様子。

    鳩山前首相『小沢氏を支持するのが大義』
    8月26日08時57分 読売新聞
     小沢氏が党代表選への出馬を決断した理由に関して、「昨日の菅首相との会談の概要を話した。(小沢氏は)それならば、と出馬を決断した」と述べた。菅首相が小沢氏を含めた挙党態勢構築に難色を示したことを踏まえ、小沢氏が出馬を決めたことを明らかにしたものだ。

    鳩山前首相『小沢氏、要職に起用を』
    8月26日1時28分 読売新聞
     鳩山前首相は25日、読売新聞のインタビューに応じ、9月の民主党代表選後の党役員・閣僚人事に関連し、「小沢一郎前幹事長の存在感が見えることが望ましい」と語った。
     小沢氏が代表選出馬を見送った場合も、要職に起用するべきだとの考えを示したものだ。


    つまり、鳩山君は小沢君を積極的に応援してはいなかったものの、持ち前の「友愛精神」から、“党内融和こそ自身の勤め”とばかりに菅君に対して「小沢君の処遇をよろしく」と頼んだ模様。それが菅君からは「脱小沢で行きます」との発言があり、それを聞いた小沢君が激怒。鳩山君に迫り(場合によっては「俺が総理になったら」的な懐柔策も)支持を取り付けた、というところでしょうか。

    で、街の声は、と言うと──。

    首相続投賛成57%、支持上昇44%…読売調査
    8月9日22時28分 読売新聞
     読売新聞社が6~8日に行った全国世論調査(電話方式)で、菅首相(民主党代表)が9月の民主党代表選で再選され、首相を続けることに「賛成」と答えた人は57%、「反対」は30%だった。
     菅氏の代表再選―首相続投への「賛成」は、民主支持層では87%を占めた。自民支持層でも46%(「反対」44%)、無党派層でも46%(同32%)で多数となり、菅内閣を支持しない人でも33%が「賛成」と答えた。
     小沢前幹事長が、政府や党の要職に就くべきだと思う人は13%で、「そうは思わない」は81%に達した。民主支持層でも76%が「そうは思わない」と答えた。


    と、「小沢君、頼むからじっとしておいてくれよ」と思ってる人が8割以上という結果。それなのに、どうして小沢君は代表選に出ようと“思える”のか、そして、“誰が”小沢君を支持しているのか、これが不思議でなりません。
    まぁ、小沢君は世論調査を信用していないと公言しているわけで。

    『世論調査は、あたったことないよ』小沢幹事長会見
    4月12日 asahi.com
    ――テレビ朝日の世論調査では、参院選比例区でどの党に投票するかという質問に、民主党が23%、自民党が24%と逆転した。残り3カ月で逆転される現状に、どう巻き返すか。
    「全然心配しておりません」
    ――それは、どうしてですか。
    「君もよく勉強してから、そういう質問はしてもらいたい。今まで新聞やテレビの世論調査は、あたったことないよ、ほとんど」

    と、小沢君は放っておくとしても「国民の生活が第一。」と偉そうに看板を掲げておきながら、国民の8割が望んでいることを無視するのですから、この党の異常さがよくわかります。

    で、誰が小沢君を支持しているのか──、その前に、代表選はどのようにして行われるのかおさらいです。

    8年ぶり党員・サポーター投票=民主代表選の仕組み
    08月26日 11時14分 時事ドットコム
     菅直人首相と小沢一郎前幹事長が争うことになった民主党代表選は、ポイント制で実施される。党所属の国会議員、地方議員、一般党員・サポーターに割り振られたポイントは計1224ポイントで、過半数は613ポイントとなる。
     ポイントの内訳は、412人の国会議員が1人2ポイントずつを持ち、計824ポイント。地方議員2382人の票は100ポイントに換算され、候補の得票数に応じてドント式で配分する。34万2493人の党員・サポーター票は衆院小選挙区の数と同じ300ポイント。小選挙区ごとに最多得票の候補が1ポイントを獲得する仕組みだ。


    ちなみに、過去の民主党代表選で党員・サポーター投票が行われたのは2002年9月の代表選のみ(鳩山由紀夫氏が勝利)で、今回は8年ぶり2回目となるそう。
    で、重要なのが「党員・サポーター票が300ポイント」というところ。党員・サポーターとはなんぞや?と調べてみると──、

    あなたも民主党に参加しませんか?
    党員とは?
    ○民主党の基本理念と政策に賛同する18歳以上の方なら、どなたでもなれます。
    (在外邦人または在日外国人の方でもOKです。)
    サポーターとは?
    ○民主党を応援したい18歳以上の方なら、どなたでもなれます。
    (在外邦人または在日外国人の方でもOKです。)


    ──と、なっており、民主党の一部議員が、国民の大反対を押し切って進めようとしている外国人参政権の問題が見え隠れしてくるわけです。この外国人参政権は、今のところ地方参政権に限られているわけですが、こうやって代表選に対して、外国籍の党員・サポーターにも投票権を認めているということは、外国人が民主党の代表を(つまり日本の総理を)決めることができてしまうということになります。

    民主代表選有権者、党員・サポーターは34万人
    8月25日21時38分 読売新聞
    によると、34万人とされている党員・サポーターですが、一方で、平成20年末における在日の中国人数は65万人、朝鮮人・韓国人が59万人と公表されていますから、極端な話、この34万人の大半が中国人や朝鮮人であってもおかしくはないわけです。
    で、仮にこの人たちが「外国人参政権」や「朝鮮学校の授業料無償化」、「在日外国人の子息への子供手当」を根拠に全員小沢君に投票したとして300票。過半数は613票ということですからあと313票。国会議員は1人2票の割り当てなので、157人が小沢君支持に回れば小沢政権の誕生ということになります。
    この157人、民主党の国会議員数は412人ということなので、わずか38%。国会議員だけの投票では過半数は取れないかもしれないからと、党員・サポーター投票を行うことにしたのだとしたら……。極端すぎる話かもしれませんが、うーん、考えられる。

    で、改めて、民主党の国会議員のうち、誰が小沢君を支持しているのか。

    民主代表選:小沢氏擁立強まる…三井氏ら輿石氏に対応一任
    8月21日1時10分 毎日新聞
     小沢氏支持派では、6月の代表選で樽床伸二国対委員長を擁立した三井辨雄国対委員長代理らのグループが20日夜、東京都内で会合を開催。樽床氏や、鳩山由紀夫前首相グループの平野博文、小沢氏に近い松井孝治前正副官房長官も出席し、「難局を乗り切るには小沢氏の出馬しかない」として出馬を促すことで一致した。

    「難局」を作り上げたのは、鳩山君と小沢君ではないのか、といった根本的なツッコミはさておき、以上の記事から、三井君と松井君が支持していることがわかります。
    で、松井君のことはよくわかりませんが、三井君は「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」や「日韓議員連盟」に所属するバリバリの親韓派であることがわかります。
    で、もう1人。忘れちゃならないのがこの人、山岡君です。

    人気投票ではなく、本当の意味での危機打開をする人ということで、(次期代表には)小沢さんがいいという声が広まりつつある──山岡賢次民主党副代表(朝日新聞8月24日付)
    日本の論点PLUS
     民主党の代表選挙(9月1日告示、14日投開票)をひかえて、再選を目指す菅直人代表(首相)の対抗馬として、小沢一郎氏(前幹事長)の出馬が注目されている。出馬を働きかける急先鋒のひとりが冒頭の山岡賢次氏(党副代表)で、すでに代表戦における小沢支持グループの組織づくりと票固めに奔走、早ければ26日にも小沢氏に正式に出馬要請したい意向だ。

    山岡君は小沢君の立候補意志表明に先立ってこんなことも。

    『小沢氏は100%出馬の意志』」代表選で山岡氏
    8月26日8時51分 産経新聞 「小沢氏はかなりの決意をもっている。私の感触をいえば、もう事実上100%出馬をされるという意志を固めている」と述べた。 と、山岡君、完全に小沢君の太鼓持ちといったところ。「人気取りではなく」とか「本当の実力者」とか、確かに聞こえはいいけれど、それって本心から思ってるの?と疑いたくもなる。

    で、山岡君はこれまでの小選挙区選挙では全敗、2009年、つまり先の衆院選で初めて小選挙区当選を果たしたという“程度”の支持しか得られていないのに、なぜか民主党の副代表となっている方。
    で、Wikipediaで見てみると、
    ・2010年1月12日には在日本大韓民国民団中央本部の新年パーティに参加。参政権成立に全力で錦の御旗として取り組むと法案実現を約束。
    ・2010年3月18日、韓国大使館で権哲賢駐日韓国大使と会食し、「(外国人参政権は)参院選があるからできないが、選挙が終わったらやる」と参院選後の成立を約束。
    ・健全なネットワークビジネスを育てる議員連盟の顧問をしており、マルチ商法関連団体でマルチ商法を推奨する講演を行っていた。
    ・小沢一郎幹事長が党代表に就いた2006年以降、政治資金収支報告書が公開されている2008年までの間に、党財務委員長だった山岡らに「組織対策費」として計約22億円が党本部から集中的に支出されていることが分かった。

    だとか、とにかく真っ黒な感じのお方。この方が小沢君を熱心に担ぎ上げようとしているのだから、国民からの支持なんてまったく得られるはずもない。


    さて。
    そもそも、鳩山君と小沢君が(何のなのかはともかくとして)責任を取って辞任したのが、“今年の”6月2日。民主党の代表選における告示日は9月1日ですから、自ら辞意を表明した方が3カ月もたたずに“よりによって”代表選に立候補するという異常事態となっています。辞めた上で代表選に、といってる方もどうかしてるけれど、それを担ぎ上げようとしている方もまったくもってどうかしています。こんなことが許されるのも、まさに「国民不在」の典型。
    で、思い起こして見れば、小沢君が民主党の代表を辞任したのが昨年、2009年の5月11日。鳩山君から要請を受けて、党の幹事長に就任したのが同年9月3日。このときも、その間わずか4カ月足らず。
    この人は「責任」という言葉をどのように考えているのでしょうか。

    さてさて、そして、自民党からは早くもこんな声が。

    【小沢氏出馬】首相就任ならカネ問題『説明強く求める』 自民の大島氏
    8月26日11時47分 産経新聞
     自民党の大島理森幹事長は26日午前、民主党の小沢一郎前幹事長が9月の党代表選に出馬表明したことについて、「円高株安問題などがあるなか、これから3週間も政府不在になってはならない」と述べ、選挙戦の過熱化による政治空白に危機感を示した。党本部で記者団の質問に答えた。
     大島氏は、小沢氏が政治とカネの問題を抱えていることについて「国会での説明責任を強く求めていくことに変わりはない」と述べ、小沢氏が首相に就任した場合、衆参両院の予算委員会などで厳しく追及する考えを示した。


    民主も民主なら自民も自民。政府不在に対する危機感を表明しながらも「予算委員会で厳しく追及する」と、これまた国民不在、政治の空白化確定。


    もう、この国にはマシな政治家なんていないんでしょうね。
    で、国民はここまでバカにされながらも、またスルーしてしまうのでしょうね。

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    テーマ : 政治・時事問題
    ジャンル : 政治・経済





    「ノンアルコールのビール風味飲料」とか言ってますが。

  • 2010.08.12
  • 猛暑で売れすぎ…販売休止 サントリーのビール風味飲料『オールフリー』」とか。
    これってどうなんだろうって思ってましたけど、各社本格参戦で販売は本格化しそうな情勢に。
    まとめると、
    ・キリン「フリー」…他社に先行
    ・アサヒ「ダブルゼロ」…カロリーゼロ
    ・サントリー「オールフリー」…カロリーゼロ、糖質ゼロ
    といった感じ。

    で、これはもちろん従来型のノンアルコールビールとは違って、アルコール分をまったく含んでいないというのがその大きな特徴なわけですが……、だったら子供が飲んでも構わない?ってことで。

    まずはこのノンアルコール飲料というものに対する考え方から。
    2010年7月17日asahi.comより。
    カクテルなのにノンアルコール アサヒ『子どもはダメ』
    記事をまとめると──
    アサヒビールは「ダブルゼロカクテル」という名前のノンアルコールのカクテルとして、ジントニックテイストを9月、カシスオレンジテイストを11月にそれぞれ発売するという。で、「アルコールゼロの飲料は20歳以上を想定して開発しているだけに、メーカー側は未成年が買わないように『お酒売り場』で扱うことを求めている。だが法律上は販売を拒否する理由がないため、店頭では販売方法をめぐって戸惑いが広がっている」のだとか。
    で、記事内に一例として挙げられているものとしては、
    ・大手コンビニエンスストア……ノンアルコール飲料を売る場合、ビールなどと同じように店員に年齢確認を促す表示がレジに出る。ところが法律的にはお酒ではないため確認を義務づける根拠はなく、「実際は店員の対応任せで、そのまま販売しているケースも多い」。
    ・別の大手コンビニエンスストア……ノンアルコール飲料と通常のビール、カクテルなどが同じ棚に並ぶことを懸念する。「お酒を買いに来たお客さんが間違ってノンアルコール飲料を買って、苦情につながるケースが考えられる」ため、ノンアルコール飲料と一目で分かる表示を売り場に新たに設けることも検討中。
    ・大手居酒屋チェーン……未成年が頼んでも、お酒ではないので断る理由がない。対応は各店に任せている。
    などなど。

    まずね、この時点で、「だったら出さなきゃいいのに」と思いますよね。ビールにしても、カクテルにしても、“ノンアルコール”ビールだとか、“ノンアルコール”カクテルだとかにしなきゃいいのに、と。“甘くない炭酸飲料”とか“すっきり味のジュース”とか、“大人のジュース”とかにすりゃいいじゃねぇか、と。
    で、なぜ、そうしないのか。これは同記事内に答えが書かれていて、「お酒を飲む20歳以上の大人を想定して販売するため、価格も酒税を含む通常のカクテル飲料に近づくとみられる。アルコールゼロなら酒税がかからないため利幅が大きくなり、収益向上が課題のメーカー側にとっては貴重な商品というわけ」だとか。

    ふざけんな、と。
    はい、僕、この件に関して、かなり怒っています。


    実際問題として、ビールをこよなく愛する僕にとって、ノンアルコールビールというのはかなり嬉しいものであることに間違いはありません。出始めのころはとてもとてもお世辞にも飲めたものではありませんでしたが、最近のものは味もしっかりしてきたことで違和感なく飲めるようにもなりました。
    どういうときに飲む機会があるのか、といえば、それは圧倒的に法事の席です。普段、ファミリーレストランでノンアルコールビールを飲もうとまでは思いません。ほかに運転できる人がいれば頼んだ上でしっかりと「本物の」ビールを飲むし、いなければ飲まない、ただそれだけのこと。どうせすぐに家に帰るのだし。ただ、法事は少し違う。なぜなら、法事の後の飲食は、親族なども多く集まってそれなりの時間がかかることが通例で、その長い時間になにも飲まずってことはできません。出される料理も刺身や天ぷらなどの、懐石風の弁当などが多く、普段からお酒を飲んでいる人にとってはジュースやお茶で食べる気持ちにはなれないのが心情。もちろん、そんな席であっても、誰も運転を代わってくれる人がいないのなら我慢するしかないわけで、そこにノンアルコールビールがあればおいしくいただくし、なければこれも我慢するしかない。つまり、ノンアルコールビールに関する話は、そもそも「我慢できるか、できないか」という単純な問題でしかないわけです。
    お酒を飲まない人からは「酔いもしないのにそんなの飲んでおいしいのか?」とも言われますが、基本的にビールの1杯や2杯、ジョッキの3杯や5杯、瓶の5本や10本では酔うことがない僕にとっては、単なる「食事中の喉の渇きを潤す適当な飲み物」に過ぎないわけで、ビールよりさらに適当な飲み物があればそちらを選ぶだけの話。僕に限って言えば「ノンアルコールビールだからありがたい」わけでもありません。

    さて、で、ノンアルコールビール。あれば嬉しいけれど、なくても困らないこの飲み物に、僕は危機感を抱いているわけです。
    それはもちろん子供による飲用です。

    まずは2003年5月31日の北海道新聞の記事から。
    古いものなので既に北海道新聞のサイトからは削除されていたので魚拓より全文引用します。

    ノンアルコールビールで『酒盛り』 室蘭の中学生65人、飲んで学校が注意
     室蘭市内の中学生六十五人が祭りの際、集団でノンアルコールビールを飲み、学校側から注意されていたことが、三十日分かった。アルコール分が1%未満のノンアルコールビールは酒税法では酒類に分類されないが、微量ながらアルコール分を含んでいる。
     室蘭市教委によると、二十四、二十五の両日、同市内の祭りの露店で同じ中学校の生徒六十五人がノンアルコールビールを購入し、飲んだ。二十六日に保護者の連絡を受けた学校が調べたところ、このうち四人の生徒は缶酎ハイなど酒類を飲んでいたことも分かった。
     この中学校は「飲酒や喫煙は違法行為。またノンアルコールであっても飲んだ量によっては酔うこともある」として、学年集会で注意し、保護者にも文書を配布した。
     同市教委は「ノンアルコールをうたっても微量のアルコールが含まれている。成長期の体に及ぼす影響も考えてほしい」と苦い顔。大手ビール会社は「ノンアルコールビールは未成年が飲んでも法律に違反しないが、あくまで健康志向の大人の飲み物という位置付け。未成年者などが飲むことは好ましくないし、ラベルでも注意を促している」としている。

    次にYahoo! 知恵袋より、2006年8月21日の質問。
    ノンアルコールビール使えば高校生でも祝勝会でビールかけしていいんですか?

    さて。
    この2つの例は、僕が危惧している問題と若干性質が異なります。なぜならこの時点では、ノンアルコールといえどもアルコール分は含まれており、未成年の飲用は制限されていたからです。もちろん、実際は違います。酒税法的にはアルコール1%以上を酒類としているので、実際は清涼飲料水の扱いであり、未成年者であっても購入や飲用は可能でした。ただ、販売店や提供側、そして家族などの自助努力によって守られていたといっていいでしょう。
    ところが今回は違う。まったくのアルコールゼロであって、どれだけ大量に飲もうが未成年に対する害は存在しません。また、上に販売店の対応として書いたとおり、各販売店によって対応はマチマチ。まったく問題なく販売している店もあるでしょうし、また、そうしている店に対して販売差し止めを求めることもできません。

    で、次に取り上げるYahoo! 知恵袋の質問は2009年11月13日のもの。
    高校の文化祭の打ち上げにノンアルコールビール(キリンフリー)で打ち上げをしたい…

    来ました。そりゃそうです。来るのが当然です。
    文化祭の打ち上げどころか、文化祭で堂々と販売し、全校生徒が飲んだところで誰にも文句は言われないはずです。
    で、果たしてこれは特異な例と言えるのでしょうか。


    ビールは、その飲み始めの当初はけしておいしい飲み物ではないはずです。小学生のころ、お父さんのビールグラスから溢れるいかにもおいしそうな泡を見て、少し舐めさせてもらったことのある人も多いでしょう。中学や高校に入って、大人のふりをして、こっそりビールを飲んでみて、そのあまりの不味さに吐き出した経験のある人も多いでしょう。大学生になって、あるいは会社に就職して、先輩に無理矢理飲まされて「マズイ。こんなの絶対飲みたくない」と思いながらも少しずつ飲み進めていくうちに、いつのまにか飲めるようになった、そんな人も多いでしょう。というより、そういう人がほとんどではないでしょうか。
    ビールだけではなく、タバコや赤ワイン、コーヒーや抹茶、ビターチョコだって最初からおいしいと感じたと言う人は少ないと思います。それは、苦味は「毒」の味として本能的に避ける習性が働くからだと言われています。

    食品メーカーのニッスイが「ニッスイアカデミー:おいしさを科学する」として、味覚や栄養素など、さまざまなものについて科学的根拠に基づいた分析記事を掲載しています。そのなかの「苦味」という記事中にこういう記載があります。
    「味を感知できる最低の濃度を閾値(いきち)といいますが、『苦味』の閾値は他の味に比べてはるかに低い値です。食物を口に入れたとき、ごくわずかな量でも敏感に苦味を感知することで、毒物の摂取をさけることができるようになっているのです」と。
    で、では「なぜ苦味を摂取できるようになっていくのか」については、このような解説がなされています。
    「ふだんは意識することはありませんが、食品の前提条件は、食べて安全であることです。『親がおいしそうに食べている』というのは、子どもにとって重要な情報です。安全であることがわかれば、親の食べる苦味のある食品にも、子どもは手を伸ばすようになるのです。そうした食経験の積み重ねが成長とともに嗜好を形成し、大人になると、苦い食品でもおいしいと感じられ、好んで摂ったりするようになるのです。『苦味は大人の味』と言われる由縁です。(中略)継続して摂取することで苦味に対する嗜好を獲得することは、実験によっても確認されています」

    つまり、僕が例に挙げた「お父さんのビールグラスから溢れるいかにもおいしそうな泡」というのは、単に泡がおいしそうだという視覚的なものだけではなく、「お父さんがおいしそうに飲んでいるから」という思いが加えられていることによって、より強い摂取欲となっているとも言えそうです。
    大人がおいしそうに飲んでいるビール──。そこにアルコールという物質が加わることにより年齢制限が設けられ、その年齢に満たない子供にとっては、「悪いことをしている」という自戒の念をとともに隠匿して飲まれていたわけで、そこには継続性は存在し得ません。そのことによって、「嗜好の獲得」の機会が絶たれていたわけですが、白日のもとで堂々と飲むことが許可されたのでは、子供たちは嬉々として早々にその嗜好を獲得し、機会さえあれば「ノンアルコール」ではない「本物のビール」を躊躇なく飲むのではないでしょうか。そのことを危惧せざるを得ません。
    「子供向けのビール」、そんな飲み物も昔から存在はしていました。ただ、大手メーカーがこぞって販売するのとはまったく問題の大きさが違う、そう思うのです。


    メーカーがさまざまに研究・開発を行い、新たな商品を市場に流通させることはけして悪いことではありません。ただ、それが単に利益追求のためだけに行われ、安全の確保や使用方法が一方的にユーザーに委ねられ、そのことによって多くの事故が起きてきた例は枚挙に暇がありません。
    メーカーは事故が起きてから製品を回収し、あるいはパッケージに注意書きを加えるなど、後付けでしか対処を行わず、起きてしまった不始末について責任を取ることはありません。

    今回のノンアルコールビールは、運転手や妊婦など、アルコールを摂取できない人には朗報となったかもしれませんが、それらの人々であっても一日中運転を続けるわけでも、一生妊婦を、あるいは授乳を続けるわけでもないわけで、飲料メーカーには、そのような「我慢が必要な」人々を助ける商品ではなく、例えばタバコのように料金を上げることによって制限を加えたりといった、「我慢を強制(サポート)する」というような社会性を考慮した活動をしてほしいと思います。
    タバコが徐々にニコチンの量を減らし、タール1ミリグラム、ニコチン0.1ミリグラムなど、「吸う必要ないんじゃねぇ?」といったような商品を多数発売したにも関わらず喫煙者数は減少せず、料金の値上げや嫌煙活動によって喫煙者が減少したように、実際に飲酒運転の罰則強化や不景気などによって酒類の売上は減少しているといいます。ところが、そういう風潮の中でも、なお、メーカーが「商売を続けよう(なんとかして儲けよう)」という感覚でいる以上、不法飲酒はなくならないでしょうし、新たな別の問題も起きてくるのでは?と考えますが、これまた言い過ぎでしょうか。

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    ジャンル : 日記





    高校野球が大嫌い。

  • 2010.08.10
  • 単に趣味嗜好の問題なので、検証やら解決策やら、あるいは関連法案を探してきてなんてことは当然せずに短く。

    とにかく高校野球が大嫌いで仕方がありません。
    「だったら見るな」と言われるのもまさに仰るとおり。ただ、この時期、テレビのチャンネルを変えていると、どうしたって飛び込んでくるし、ニュースを見てたってスポーツコーナーでは伝えられるわけだし、まったく目にしないで生きていくためには、「この時期にはテレビを見ない」という生き方をするしかありません。

    で、なぜかように高校野球が嫌いなのか──。理由は2つ。NHKの放送の仕方と、球児たちの振る舞い方とのダブル攻撃によってこの状況が作り出されています。

    1つめ。NHKの放送の仕方。
    これはとにかく一言で言ってアップの多用がキツイ。全世帯とは言わないまでも、今やほとんどの家庭で地デジ化が進み、それに伴って画面サイズが大きくなっているのも周知の事実。なのに、というか、NHKの高校野球を見ていると、球児や監督、スタンドで応援している人たちなどが画面いっぱいになるくらいまで大写しになることが度々あります。家庭の地デジテレビの標準サイズが何インチなのかはわかりませんが、40インチくらいで画面いっぱいとなると顔の大きさ約50センチにもなって……(以下略)。

    2つめ。球児。
    まぁ、1つめはどうでもよくて、2つめの球児のおかしなポイントも1つめのアップ多用によって余計に違和感強く伝わってくるというか。
    で、おかしなところというのはズバリ帽子のかぶり方。
    で、で、試しに「高校野球 帽子 かぶり方」でGoogle先生で調べてみたところ、やはり同様に違和感を持っている人がそこそこいらっしゃることがわかりました。
    ポイントは3つ。
    1. ツバを極端に折り曲げている
    2. マークのところをヘンテコリンにつまんでいる
    3. 極端すぎるくらいに浅くかぶっている
    百歩譲って、1のツバはあまりにも極端でない場合はよしとしましょう。僕自身の帽子かぶり経験談から言っても、ツバが曲がっている方が視界がよくなるって感じは受けます。深くかぶりすぎることで左右が遮られてしまって、視界が狭まるってこともあるのですが、帽子はその多くは、暑く、明るいときにかぶるもの。逆に左右から入ってくる光が制限されて、前面に集中しやすくなります。僕は釣りのときに帽子をかぶるのですが、偏光グラスという、水面下の様子を見るための眼鏡をかけるときには特に横からの光は避けたいので、自身の帽子のツバも曲げ、深くかぶって魚を狙っています。
    で、問題は2と3。これは同じ問題で、マークのところをヘンテコリンにつまみたいから浅くしかかぶらないのか、浅くしかかぶらないからマークをヘンテコリンにつまむのか、どっちが先かはわからないのですが、とにかく絶対にヘン!
    「高校生間のファッション」といったものだとは思いますが、プレー中も帽子のかぶり方を気にしすぎていて、野球をしているのか、帽子をかぶる運動をしているのかわからないほど。特に投手などは1球投げるたびに帽子をかぶり直す始末で、酷い投手になると、1球投げるたびに帽子が脱げ落ちる場合も。もしそこにピッチャーライナーが飛んできて頭に当たったら、と思うとゾッとします。
    で、大学野球は、そしてプロ野球は、と見てみると、そんなかぶり方をしている選手は一人もいないわけで、どうして高校球児だけがあのようなヘンテコリンなことを、それも全国的にしているのかがますます不明です。

    「カッコつけたい、カッコよく見られたい」と思っているのでしょう。わかります。でも、ヒーローになるのは、そして「カッコイイ!」と、女の子をときめかせるのは、相手を完封したり、ホームランを打ったり、ファインプレーをする選手たちであって、「君の帽子のかぶり方、カッコイイね」なんてことでヒーローなったり、インタビューを受けたり、写真を撮られたり、まして女の子にモテたりすることはありえませんので。


    [追記]
    8月11日。何度も何度もニュースで流れましたが、仙台育英高校が最後にレフトの超ファインプレーともいえるダイビングキャッチで逃げ切った試合、このレフトの選手の飛び込みと見事なキャッチには敬意を表しますが、立ち上がった瞬間、左手はボールをキャッチしたグローブを高々と掲げ、右手ではすかさず帽子を「浅く」かぶり直してました。
    ほんと、なんだかなぁ。

    テーマ : 日記
    ジャンル : 日記





    これぞお役所仕事という感じ。

  • 2010.08.08
  • 100歳以上のお年寄りが行方不明になっている問題が勃発してから、メディアはその問題を大きく取り上げ、その甲斐あってか(?)全国で次々と行方不明となっている人が発覚、その数は近々に100人を超えそうな勢いです。昨年9月時点で全国の100歳以上のお年寄りは4万399人ということですから、それに占める割合でいったらわずか0.2%ほど。「平均余命の数値が違ってくる」という声も出ているようですが、このことだけでそう大きな変化が起こることはないでしょう。ただ、100歳以下であっても同じように行方不明の人は当然のことながらいるわけで、そういった人たちがいったい何歳で死亡したのか(あるいは失踪宣告→死亡宣告となったのか)がはっきりしてくれば、その数値は揺らぐ可能性はあります。まぁ、平均余命を算出する側としても、ある程度の誤差は計算式に入れているでしょうから、さほど懸念する話でもないのでしょうが。

    で、平均余命はさておき、これだけの行方不明者が公然と「生きている」という扱いを受け続けていたことには驚愕します。確かに、自分の親戚筋すべてを把握している人(極端に少ないとかは除いたとして)は、それも面会や電話などを頻繁にしている人というのは少ないでしょうし、「そう言えばあの人は……」的な人物が頭の中に浮かぶ人は多いでしょう。まして、例えば事業に失敗したりして親戚との連絡を絶ち、ひっそりと暮らしていた一家の最後の一人が死んだとして、そのことに誰が気づけるのか──、「家族関係の崩壊」ということでこの問題を片付けようとしている人も見受けられますが、そんな簡単な話ではないように思います。

    まず、この問題は、これはメディアでも語られていますが、性善説に立ちすぎたということが拡大させた大きな原因であることに間違いはありません。
    つまり、
    ・住所が変われば役所に届けてくれるハズだ
    ・死亡した場合には役所に届けてくれるハズだ
    そして、
    ・失踪したら家族が必死になって探すハズだ
    ・見つからない場合は警察に届けるハズだ
    ・子供は親を、親は子供を保護するハズだし、家族や親類縁者はお互いを気にかけているハズだ……。

    「こうなるハズだっただろう」と考えることはけして悪いことではないでしょう。住所変更をしなければ公的サービスを受けられなくなるという弊害が発生するし、死亡届を出さなければ火葬許可も埋葬許可も受けられずお墓に入れることはできなくなるわけで、単に性善説のみに非ず、こういった諸問題から考えてもこれらのことは守られる「ハズ」であったということもできます。
    さらに、単に性善説に沿ってこれらを実行してくれるように期待していただけではなく、これらはそれぞれきちんと法によってその取り扱いが指定され、ある場合には罰則すら伴っているわけで、「守られるハズのもの」で、かつ「守るべきもの」であったこともわかります。

    例えば、住民基本台帳法第3条では第3項に、「住民は、常に、住民としての地位の変更に関する届出を正確に行なうように努めなければならず、虚偽の届出その他住民基本台帳の正確性を阻害するような行為をしてはならない。」と定めており、第22条から24条にかけて、その届けの原則を規定しています。
    第22条 転入をした者は、転入をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
    第23条 転居をした者は、転居をした日から十四日以内に、次に掲げる事項を市町村長に届け出なければならない。
    第24条 転出をする者は、あらかじめ、その氏名、転出先及び転出の予定年月日を市町村長に届け出なければならない。
    そして、第53条において、これらの原則に対する罰則規定が定められています。
    第53条 第二十二条から第二十四条まで又は第二十五条の規定による届出に関し虚偽の届出をした者は、他の法令の規定により刑を科すべき場合を除き、五万円以下の過料に処する。
    2 正当な理由がなくて第二十二条から第二十四条まで又は第二十五条の規定による届出をしない者は、五万円以下の過料に処する。

    死亡届に関しては戸籍法に定めがあります。
    第86条 死亡の届出は、届出義務者が、死亡の事実を知つた日から七日以内に、これをしなければならない。

    家族間の助け合いについては民法による規定があります。
    第730条 直系血族及び同居の親族は、互に扶け合わなければならない。
    第877条 直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

    さて、こうなってくると住所の届けを出さなかった者が、そして死んだことを届けなかった家族が、助けなかった家族が悪いということになってくるかと思います。今回の件は、死んでいるのに家族が放置した例や、出て行った(失踪した)のに放っておいたなど、そのほとんどは家族に責任があるとも言えそうです。
    ただ、一方で、「国立社会保障・人口問題研究所によると、国勢調査などから今年の85歳以上の独居世帯は61万6千世帯もあると推計されている[産経新聞]」そうなので、やはり家族の問題だけで済まされるものではないことがわかります。
    もちろん家族や親類間の互助があれば独居老人の問題はある程度は解決されるかもしれません。「頼るべき家族がいない」という例を除いて、ということですが。


    で、僕は、今回の問題は公務員批判とは別次元の部分で、やはり行政の怠慢が招いた結果だと思います。そしてその怠慢はシステムの不備によって当然に引き起こされたのだと考えます。

    まず、行政の怠慢だとする根拠、それは行政による職責放棄です。
    国家公務員法では職員の職責を以下のように定めています。
    第96条 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
    第101条 職員は、法律又は命令の定める場合を除いては、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、政府がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
    地方公務員法にも同様の規定があります。
    第30条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
    第35条 職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。

    そして、地方公務員法において、
    第3条 地方公務員の職は、一般職と特別職とに分ける。
     2 特別職は、次に掲げる職とする。
      3) 臨時又は非常勤の顧問、参与、調査員、嘱託員及びこれらの者に準ずる者の職
    として、民生委員の職を設けています。

    民生委員は民生委員法によって以下のように定められています。
    第1条 民生委員は、社会奉仕の精神をもつて、常に住民の立場に立つて相談に応じ、及び必要な援助を行い、もつて社会福祉の増進に努めるものとする。
    第14条 民生委員の職務は、次のとおりとする。
      1) 住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと。
      2) 援助を必要とする者がその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように生活に関する相談に応じ、助言その他の援助を行うこと。
      3) 援助を必要とする者が福祉サービスを適切に利用するために必要な情報の提供その他の援助を行うこと。
      4) 社会福祉を目的とする事業を経営する者又は社会福祉に関する活動を行う者と密接に連携し、その事業又は活動を支援すること。
      5)社会福祉法に定める福祉に関する事務所その他の関係行政機関の業務に協力すること。
     2 民生委員は、前項の職務を行うほか、必要に応じて、住民の福祉の増進を図るための活動を行う。


    で、この第14条第1項第1号「住民の生活状態を必要に応じ適切に把握しておくこと」を根拠として、そして遡って地方公務員法第30条、第35条において、「職務の遂行に当つては、全力を挙げて」「その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のため」に用いると規定されているわけですから、民生委員が住民の生活状態を適切に把握できなかった以上、これはその職務の怠慢であるといっていいのではないでしょうか。

    ただ、ここに一つ大きな問題があります。
    民生委員法によって、民生委員は奉仕者であって、ボランティアであることが明言されています。
    第10条 民生委員には、給与を支給しないものとし、その任期は、三年とする。ただし、補欠の民生委員の任期は、前任者の残任期間とする。

    つまり、行政は、民生委員を住民の生活状態を把握するという目的において地方公務員法における特別職として認め、職務を委託しながら、その活動には奉仕の精神を要求しているのです。これは、自らは外部に出ずに高給を取り、一方で民生委員には無給で炎天下を歩いて回ることを強要しているといっても言い過ぎではないでしょう。
    この民生委員、テレビで杉並区の例が紹介されていましたが、杉並区は人口53万人、29万世帯を抱えており、一方で民生委員の数は420人程度。平均すると1人の民生委員が受け持つのは1250人、690世帯です。「無給」で、「毎日」、2件訪ね歩いたとしてまるまる1年かかるという状況です。もちろん不在者もいるでしょうから、昼夜を問わず、曜日を問わず、毎日2件以上を訪ね歩かなければいけません。そこまでしたとしても住民全員が訪問に応じてくれるハズはなく、これはシステムとして完全に破綻していると言えるのではないでしょうか。


    さて、今回の問題で、行方不明かどうかを確認するために一つの方法が採用されています。それは「高齢者でありながら医療や介護サービスを受けていない場合、行方不明者の可能性が高い」という確認方法です。現実には2年以上に渡って医療も介護も受けておらず、至って元気に生活しているお年寄りもいらっしゃったようですから、確実な方法というわけでもありません。ただ、少なくとも、そういう方法によって、一応の目星をつけることは可能なハズです。

    では、これをもっと幅広く応用することによって、その人の活動状態を知ることはできないのでしょうか。
    その考え方はずっと以前から存在してます。いわゆる「国民総背番号制」です。
    Wikipediaによれば「国民一人一人に重複しない番号を付与し、それぞれの個人情報をこれに帰属させることで国民全体の個人情報管理の効率化を図る。氏名、本籍、住所、性別、生年月日を中心的な情報とし、その他の管理対象となる個人情報としては、社会保障制度納付、納税、各種免許、犯罪前科、金融口座、親族関係などがあげられる。多くの情報を本制度によって管理すればそれだけ行政遂行コストが下がり、国民にとっても自己の情報を確認や訂正がしやすいメリットがある」と解説されているこの背番号制、いったいなぜ導入されないのでしょうか。
    その反対意見の多くは情報流出の問題と、いわゆる「プライバシー」の問題だと考えられています。ただ、情報流出の懸念から言えば、例えば一人一人にユニークな番号を割り振った上で、個々の、例えば本籍を知るために、性別を知るために、生年月日や保有銀行口座を知るために、さらにユニークな番号を掛け合わせていくというような管理によってある程度のブロックはかけられるでしょうし、氏名や本籍、住所などと、それ以外の情報とを別媒体(例えばそれ以外の情報はデータで、氏名等は紙媒体など)で管理するという方法だって考えられます。
    それに、そもそもそのことによって役所仕事が大幅に軽減され、公務員定数が大幅に削減され、住民税などのコストが下げられるのであれば、それとひきかえにプライバシーをある程度流出させる危険性を覚悟するという考え方だってできるはずです。
    これはクレジットカードを例に挙げればよく理解できます。我々は自ら望んで、世界中でキャッシュレスで買い物ができるという利便性と引き替えに、クレジットカード会社に自身の住所、氏名、生年月日、電話番号、勤務先とその規模および年収、利用銀行口座を伝えているわけです。他にも、既に我々の情報は、電話会社によって電話番号が、銀行によって保有資産が、レンタルビデオ会社によって趣味や嗜好が、かつそれぞれの機関によって、住所も氏名も電話番号も押さえられているわけで、それらの情報が流出することにいったいどれだけの人が危機感を感じながら生活しているというのでしょうか。もちろん、総背番号制によって、あらゆる情報が多元的に管理されれば、その情報は貴重なものとなり、それが流出する危険性は現在より考慮されるべきでしょうが、例えば、TSUTAYAで発行しているTポイントカードはすでに50社以上と提携しており、それはそれらの提携会社間で我々の個人情報が共有されていることを表しています。
    この情報共有に危機感を持つのであれば、例えばある会社がこの総背番号制によるIDをその会員登録の際に用いたとした場合、それをそのままの状態で保管せず、日々、あるいは1分1秒ごとに変化する乱数などでスクランブルをかけて保管するといったやり方だってあるはず。大切なのは情報の流出やプライバシーの問題を持ち出して利便性を排除することではなく、どのようにしてそれらを安全に活用するかを考えることです。そもそも、今回の問題にしても、そうやって失踪者を届け出なかったことによって年金が不当に搾取されているわけで、プライバシーがどうこうと言ってる場合でもないのではないでしょうか。
    ちなみに、ですが、高性能なカーナビゲーションを買えば、そこには全国の個人の住所と電話番号、氏名がデータとして記録されているわけで(NTT電話帳情報)、実際には世の中の多くの人々のプライバシーは、すでに流出しているといっても過言ではない状態でもあることも付け加えておきます。

    で、こうやって総背番号制を導入することによって、どのようなサービスをいつ受けたのかが瞬間的に把握することができるわけで、役所の職員は民生委員に個別訪問などさせずに、データ管理をすることで状況把握ができるようになるはずです。ある程度の平均値を取り(例えば乳幼児や高齢者の通院回数や、銀行などの利用率、電話や携帯電話の使用頻度等)、それに合致しないデータを洗い出せば、乳幼児の虐待も、老人の孤独死も、あるいは振り込め詐欺も防止できるかもしれません。
    図らずも昨晩「サマーウォーズ」で、データに依存した社会の脆弱性が描かれていましたが、そういったシステム障害はある程度は起こりうるもの。紙媒体による人的管理だって、紛失や天災などによって使えなくなる可能性が高いわけですから、データだから脆弱だということにはならないはずです。


    さて、こうした総背番号制を導入するとか、民生委員の負担を考慮するとか、そういった以前の話としてやはり行政の怠慢であるという考えができる事例もあります。それは各省庁からの指導として行われ、法と同様の効力を持つとされているもの、通達や先例、回答といったものの存在です。

    1つめは昭和32年1月31日の「法務省民事甲第163号回答」と呼ばれるもの。
    100歳以上の高齢者については、その者の所在が不明で、かつ、その生死及び所在につき調査の資料を求める事ができない場合に限り、戸籍謄本及びその附票の写しのみによって、職権消除の許可をすることができる。
    2つめは昭和32年8月1日の「法務省民事甲第1358号通達」。
    戸籍の附票に住所の記載の無い90歳以上の者で生存の見込みの無いものについては、関係者から戸籍消除の申し出があった場合、監督局長の許可を得て、死亡を原因として除籍して差し支えない。

    つまり、90歳以上の高齢者については関係者から申し出があった場合にはその戸籍を消除、除籍することができ、100歳以上に関しては申し出がなくとも職権によって消除することができるわけです。
    つまり、まさに今回の件で、100歳以上の高齢者に数十年に渡って医療保険の申請記録もなく、かつ年金の申請も行われていないような状況が続いていた場合、その戸籍を消除していいわけで、戸籍係が日々その業務を怠ることをしなければこの問題も起きなかった、とも言えるのです。

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    避けていた話題「名付け」。

  • 2010.08.05
  • 日刊サイゾーの連載記事「のり・たまみのへんな社会学」。その第4回目として、「読み方は自分で決められる!? あなたが知らない日本人の名前の秘密」という記事があげられていました。
    簡単に言うと、最近はおかしな名前が多いけれど、名前の読みに関しては戸籍登録においての必須自行ではないので自由に決められる、と。つまり、読み方については役所などで「名前の読みを変更したい」と告げることで簡単に変えることができる、と。なので、現在おかしな名前を(読み方に関して)付けられて悩んでいる人たちも簡単に変えられるのでご心配なく──という内容でした。

    そしてもうひとつ。非モテタイムズの記事としても「『人とは違う我が子の名前』に執着する親達」というエントリーがありました。
    こちらはタイトル通り、「人とは違う」ということに意識が向きすぎているのではないか、とこの現象を語り、それはテレビやインターネットなどで多くのサンプルが見られるようになった結果だろうとまとめています。

    で、サイゾーの記事に例として取り上げられていた名前は、
    ・光宙→ぴかちゅう
    ・十兵→くりすとふぁー
    ・苺苺苺→まりなる
    ・樹美羅→じゅびら
    一方、非モテタイムズで例として挙げられていたのは、
    ・流星→おりおん
    ・珠愛→じゅえる
    ・雪麗来→しぇれら
    ・颯月→ふわり
    など。まぁ、サイゾーの例は少し行き過ぎな感じもしますが、非モテタイムズの方は実にありそう。これらは「珍名サイト」としてあまりにも有名になった「DQN ネーム(子供の名前@あー勘違い・子供がカワイソ)」からの抜粋だと思われます(※ちなみに「DQNネーム」というのはすっかり定着している言葉だと思いますので、以降、これを用います。「珍名」なんて可愛げのあるものですらなくなった、ということでしょうね。DQNの意味は「wikipedia」から「DQN」を参照。ここにDQNネームについても書かれています)。

    で、さっそくDQNネームのサイトから「最近の登録」として5日分を挙げてみます。
    8月5日登録分
    ・励歩→れある
    ・日記維→にっきぃ
    ・巴里仔→ぱりす
    ・俐琥→りく
    ・碧莉→あいり
    8月4日登録分
    ・和花→ののか
    ・葵音→あおね
    ・葵空→あおぞら
    ・心侑莱→みゆら
    ・京楓→きょうか
    8月3日登録分
    ・月彩→るい
    ・煌海→きら
    ・明音桜→めとろ
    ・香澄→こすも
    ・茉音→まろん
    8月2日登録分
    ・澄和→とわ
    ・梓瑞生→しずき
    ・友元→とも
    ・涼翔→りょうが
    ・温希→のんの
    8月1日登録分
    ・陽葵→ひまわり
    ・千愛→せな
    ・遥羽→とわ
    ・仁敢→とあ
    ・綺花→あろは
    で、まぁ、こんなのが次から次へとまるで雨後の筍のように毎日毎日湧いてきているのだから驚愕というかなんというか。
    ちなみにちなみに、このサイトでは「DQNランキング」というのがあって、そこでは賢一郎(けんいちろう)が2位、誠太郎(せいたろう)が5位になっているのですが、これはこの2人が女の子だからです(このDQNランキング、日々更新されているのですが、1ページに30人分の名前が掲載されていて、590ページ、総計17,700ものDQNネームが登録されているのだから驚きです)。


    さて、で、この話題。避けていたのには理由があって、それは僕がつい最近子供を持ったばかりだからです。こうやって最近に名付けに対して意見を言うのであれば「ではおまえはどうなんだ?」ということになりかねません。だからといって子供の名前をさらすのも抵抗があるし、かといってさらさない状態で「ウチの子は普通の名前です」と言ったってまったく説得力を持たせられません。
    そしてもうひとつ。こうやって意見を述べて行くにあたっては、なんらかの具体例を挙げざるを得ません。そのことで他人の名前をDQNネーム扱いしてしまうことに抵抗があったのです。
    ただ、いくらなんでもおかしい、やっぱり我慢できない、そんな思いもあってちょっとぶちまけてしまうことにしました。

    さてさて。ここからがようやく本題なのですが、僕が根元的に嫌悪感を覚えているのは、自分が文章とかそういったものに携わる仕事をしているからかもしれません。
    文章を紡ぐ場合、単に思いつきや感覚で構成しているわけではなく、考えて悩んで、試行錯誤が繰り返された果てにそれらが生み出されており、そこには「いかにわかりやすく」書くか、「いかにうつくしく」表現するかといった苦労があるものです。そして日本語はそういった欲求と要求を満たすに相応しく、美しい漢字や美しい語感のある、世界でも特徴的な言語であるものだと考えています。それなのに、言葉の響きからも、それをあてた漢字からもなにも感じ取ることのできない名前をつけるのは日本語に対する冒涜であるとすら感じてしまうのです。

    例えば(本当にいたら申し訳ないとは思うのですが)、「さなは」ちゃんという子供がいたとします。漢字は……、「紗那羽」とでもしましょうか。このひらがなと漢字、それぞれの組み合わせからは何も伝わってきません。これは僕が考えた「想像上」の名前ですから、実際に付けられる名前にはそんな名前はないだろうと、上に書いたDQNネームサイトの8月2日登録分とされた例を見てみると、「しずき」ちゃんという子供がいますね。漢字は「梓瑞生」。それぞれの漢字の意味を調べてみると──。
    ・梓→「あずさ」という木の名前 など。
    ・瑞→めでたい、みずみずしい。形のよい玉 など。
    ・生→生きる、生まれる、生える など。
    まとめると……、まとめられません。ただ、この仮名からも漢字からも、何も伝わってはこないこと、これだけは間違いなく言えるのではないでしょうか。

    もちろん、この名前には両親によってこめられた思いが入っているのでしょう。あるいは、お母さんが「梓(あずさ)」さん、お父さんが「瑞人(みずと?)」さんとかで、そこから生まれた子供、という意味があるのかもしれません。こういったように、一概にその名前はダメだ、と決めつけるのは難しく、それだからこそこれだけおかしな(不思議な)名前が氾濫することになったのだとも思えます。

    で、ダメだとは言えなくても、やっぱり少し(というか、どうやらずいぶんと)おかしいと思わざるを得ない場合というのを挙げてみます。

    ■ 漢字の読みの一部を抜粋
    これは上に書いた「梓瑞生」ちゃんの、「瑞」の字がまさに当てはまりますね。この字は「ズイ」または「みず」と読むことはあっても単独で「ず」と読むことはできません。こういった例が非常に多いのがこの問題の大きな特徴です。
    「愛」を「あ」と、「心」を「こ」と読むあたりにはじまったと思われるこのムーブメントは留まることを知らず、例えばやはり上に書いた8月2日分を見ると、「友元」ちゃんという子がいます。これで「とも」と読ませるらしいのですが、「とも」なら「友」だけでいいのでは?と首を傾げたくなります。「一番じゃなきゃダメなんですか? 二番じゃダメ?」とばかりに、「友だけじゃダメなんですか? 元もつけなきゃダメ?」と尋ねたいくらいです。

    で、今回調べていてわかったことなのですが、漢字には「名乗り読み」というものが紹介されている場合があります。これは音読みでも訓読みでもなく、名前に使われるときにこう読まれることがあるという、いわば一例を示したにすぎないものがあるのですが、これがあることによってこの「抜粋問題」はさらに複雑化していきます。
    例えば「彩」という漢字があります。ご存じの通り、これは「サイ」や「いろどり」と読む、非常に美しい漢字です。で、上戸彩さんや石黒彩さんをはじめとして、多くの女性の名前として使われているこの漢字ですが、実は「あや」も名乗り読みに過ぎないのであって、彩という漢字の正式な読み方としては含まれないのです。
    ところが、この彩という漢字、これを「あや」と読めない人はほとんどいないように、この名乗り読みが一般化する場合があります。で、彩を「あ」や「や」と抜粋して読ませるような名前が誕生します。「彩麻音(あまね)」ちゃんとか。
    一般化してきている彩ならなんとか、と読みこなすことができても、「大」という字に対して紹介されている名乗り読み「お・おい・おお・おおい・おおき・き・たかし・たけし・とも・なが・はじめ・はる・ひろ・ひろし・ふと・ふとし・まさ・まさる・もと・ゆたか(※「1から始める姓名判断と名付け」より」のなかから、「は」とか「ひ」とか「ま」、はたまた「る」なんてものをあてられたのでは完全にお手上げです。

    で、この一部抜粋問題、ある意味で我々日本人が願ってやまなかった問題を片付けてくれることができます。それは「ん」を表す漢字です。ただ、だからといって「健康で元気な子供を」なんて願いを込めて「健元太郎(けんたろう)」などと付けていいはずがありません。


    ■ 漢字の意味がわかっていない
    DQNネームのサイトを見ていくと(個人攻撃みたいになるので、本当は望ましくはないと思うのですが)「羽凪(まうな)」ちゃんという子がいるみたいです。その読み方にも仰天ですが、羽ばたいたら必然的に風は起こるもの。一方、凪という字は風が止んでいる様子を表したもの。この2つを組み合わせて、子供にどのような生き方をしてほしいと思ったのでしょうか。
    そしてもう一例だけ。「久憂我(くうが)」ちゃん。もうこうなってくるとネタなのか本当なのかわからなくなってくるのですが、「久しく憂う我」とは。

    上にも書きましたが、日本語というものは意味を持った美しい漢字と、なにかをイメージさせる美しい語感という特徴を併せ持った世界でも希有な言葉だと思っています。英語圏の人がアルファベットを勝手に組み合わせて、響きのいい音を名前とするのとは違うのです。


    ■ 音訓の混同
    例えば、「綾夏(あやか)」ちゃんという子がいたとします。仮定の話です。「柚那(ゆずな)」ちゃんだっていいのですが、これらはいずれも「音読み+訓読み」になってしまっています。いわゆる「湯桶(ゆトウ)読み」とか「重箱(ジュウばこ)読み」と言われるものです。
    本来的には日本語は日本古来の読みと、大陸から入ってきた読みとのふたつのものがあり、それぞれ「訓読み」、「音読み」とされていることは学校でも習ったはず。この音と訓は混同するべきではないので、例えば「売買」という言葉は「バイバイ」もしくは「うりかい」と読むわけで、「バイかい」とか「うりバイ」とは発音しない、ということです。
    名前はある意味においては独自に、いわば親の勝手な判断で付けるわけですから、必ずしもこのルールに厳密である必要もありません。湯桶読みや重箱読みの例としても、朝晩(あさバン)や株券(かぶケン)、敷金(しきキン)、台所(ダイどころ)、番組(バンぐみ)、役場(ヤクば)など、日常生活に溶け込んだものも数多くあり、必ずしも間違いだとは言えません。ただ、名前とは自分で名乗るよりも人に呼んでもらう回数の方が圧倒的に多いもの。まずもってして「人に読まれる」ということを意識した場合、相応しいとは言えないでしょう。


    なぜ、どうしてこのようなおかしな名前が出回ることになったのか、その「犯人探し」としてインターネットやテレビ、本などの情報に因るところが大きいとする意見があります。実際にそれはある意味においては正しいでしょうが、一方で、名前は時代に応じて変化しつづけており、もはや古くさささえ感じる「○○子」という名前が流行したとき、あるいは男性の名前としての、武や宏、誠、剛など1文字名が流行したときにも先時代の人たちからは驚愕されたとも言われます。ただ、それでも現在のように大問題となることがなかったのは、それらが誰にでも読むことができ、その漢字から親の思いを推察することができたからではないでしょうか。
    意味もなく単につけたいという理由だけの漢字を用いたり、意味のない語感だけで名前の読みを考えたりすることでこのような状況が生み出されているのだろうと思いますが、現在は、人と違うものを、特別なものをということにこだわりすぎて、結果としてまわりもおかしな名前だらけという奇怪な状況になっているような状況です。その子が特別であるか、人と違う子であるかどうかは、名前ではなく親が生き方を示すことで、その子自身が獲得すべきものであって、DQNネームとしてクラスで一番になったとして何が嬉しいのでしょうか。

    最後に、鈴木太郎くんという子がいます。今はもう高校生くらいになっているかと思うので、子というのも失礼なのですが、この人は小学5年当時、11歳という史上最年少で漢検一級に合格したことで知られました。これはご両親の影響だったそうで、TVチャンピオンの「親子漢字王選手権」にもお父さんと一緒に出場されていました。太郎くんという名前は、ご両親が岡本太郎さんに影響を受けたからという話だったと思いましたが、例えどんなにありきたりの(今では逆にありきたりではありませんが)名前であっても、両親とともに目標を見つけることで「特別な存在」になることができたという典型的な例だと思います。

    そしてなにより日本が誇る世界のスーパースターは、鈴木一朗さんです。
    まぁ、イチローは次男なのに一朗ですから、ある意味では珍名なのかもしれませんが。

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    常盤荘太郎

    Author:常盤荘太郎
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